『児童養護施設の子どもたち』★★★☆☆

2014年04月17日 08:31

『児童養護施設の子どもたち』大久保真紀著、高文研刊、2000円+税

施設入所の子どもたちとの触れ合いを書いた本。要保護児童となった子どもたちの背景や思いが紹介されていて、里親にとっても委託されてくる子どもたちがどんな思いで生きているのかよく分かる本です。子どものこんな声が紹介されていてドキッとします。

――年下の子どもをかわいいと思えば思うほど、殴りたくなる。殴れば子どもは泣く。だが、そこで、「おいで」と手をさしのばすと、子どもはギュッと抱きついてくる。それが「チョーうれしいー」。そのときは、その子どもは自分だけに助けを求めてきているのだ。独占したような気持ちになる。たんに頼ってもらいたいと言うのとは違う。ギュッとされたときの、あの感じが忘れられない。

施設長が自分たちにやってきたことと同じことだとこの子はその行為を振り返ります。この子が大人になって子どもをもった時、どんな育て方をするのだろうと思ってしまいます。